上司は部下の話を「傾聴」しましょう。
1on1という上司・部下間のコミュニケーションが脚光を浴びる中、よく聞かれる言葉です。
上司という立場だと、どうしても部下の話に良いアドバイスや、解決策を提示したくなるものですが、なぜじっくり聴くことが大切なのでしょうか?
とある管理職 Aさんのお話です。
部下Bさんから、終業時間過ぎに悲痛なメールが届きました。
いかに自分が大変で、業務分担が不公平かを訴えるメールでした。
メールを見た瞬間、Aさんの頭に浮かんだのは、現状の業務分担が適正である理由、それを伝えたい気持ちがグッと沸き上がりました。
でも、その場でメールには返信せず、次の日Bさんと直接会話することに。
会議室で1対1のAさんとBさん。
Aさん「昨日もらったメールの件だけど…」
Bさん「分担おかしいですよね、だってCさんはいつも定時で帰ってますし、私はこんなに仕事してる!!」
堰を切ったように話し始めたBさん。
Aさんは「でもさ…」と業務分担が適正であることを伝えようと思ったが、グッとこらえて、Bさんの話をとにかく熱心に聴くことにしました。
そこでわかったのは、Bさんの「こんなに頑張っていることをちゃんと認めてほしい」という気持ち。
Aさんはその気持ちを受け止め、熱心に話を聴くことに努めました。
30分経った時、Bさんがため息交じりにひと言。
「ま、私が頑張れってことですよね」
Bさん、自分で納得、自己解決。この場は終了になりました。
人間は他人に話をすること、聴いてもらうことで、自分の頭や心が整理できたり、悩みや問題の解決策が見えることがたくさんあります。